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12月25日。午後7時。
眼鏡を外し目薬を点す。そろそろ仕事も終わるだろう。
うんと腕を伸ばすと気持ちがいい。
ため息を一回ついて、パソコンから離れた。外を見るとイルミネーションで輝いている木々が見えた。
「クリスマス、か」
私には縁がない。そう思いプリンターへ足を運ぶ。完成しかけたプリントを見て顔をほころばせた。
またパソコンの前に座ると、こんこんとドアが叩かれた。
「・・・帰ってきたのか・・・?」
クーナはゆっくり腰をあげ、ドアを開けた。
そこにいたのは私服姿の生徒だった。クーナは首を傾げる。
こんな時間に一体どうしたのだろうか。悪戯というわけでもあるまい。
「あ、あの、忘れ物をしてしまって・・・でも、怖くて・・・先生、ついてきてくれませんか・・・?」
「ん、構わない」
ちょっと待っていろ、と言って席へ戻る。
完成間近のファイルを保存しておいた。懐中電灯を一つ取って職員室を出る。
「電気はつけないんですか?」
「あぁ、そういう決まりなんだ」
そうですか、と生徒は黙り、クーナをちらと見た。
そういえば怖いと言っていたな。クーナは生徒に手を差し出した。
「繋ぐか」
「え、あ、はい・・・っ」
「名前は?」
生徒は微笑んで、シェレンですと言った。
クーナも微笑み、並んで教室へと向かった。
教室は昼間と全く違う姿へ豹変しているようだった。
至って普通の机、椅子、ロッカーが怖く見える。クーナも少しびくびくしていた。
「忘れ物、あったか?」
「はい、ありがとうございます」
ぱたぱたと上履きを鳴らしてクーナの元へ戻ってくる。その姿がかわいらしくつい微笑んでしまう。
「どうしたんですか?」
「いや、なんでもない」
雨参がフウカと付き合っていることは知っている。先生と生徒という立場だということも知っている。
どうして生徒に恋するのかが、クーナにはわからなかった。
生徒が先生に恋をするのは憧れだとも思っていた。まだ子供だから、と勝手に答えを出して。
でもあの二人はどうも、恋人にしか見えない。それが不思議だった。
「先生・・・?」
不意に腕を捕まれ、飛び上がりそうになった。手を離したせいで懐中電灯が床にたたき付けられる。
「・・・しまった」
床に落ちた懐中電灯は割れ、使い物にならなくなってしまった。
二人はその場に暫く立ち尽くしてしまった。
「・・・悪い」
「いえ、いいんです・・・歩けないことはないですし」
何だか情けなくて寂しくなった。どうして私はいつもこうなんだ。
「喋っていれば怖くないと思うんです。先生、今日はどうして学校にいたんですか?」
シェレンが話題を出してくれたお陰で、暗い恐怖も少しは去ってくれた。
クーナは宿題の手伝いをしていることを伝えた。誰の、とまでは伝えずに。
シェレンというと、明日コンクールの楽譜を忘れてしまったのだという。
コンクールというのは吹奏楽で使うものだ。明日の午後からあるらしい。
「吹奏楽か、私も音楽が好きなんだ」
「本当ですか!?」
シェレンは目を輝かせ、コンクールの音楽について話しはじめた。
クーナも熱心に話を聞いた。何より楽しそうに話すシェレンをみるのが嬉しかったのだ。
「・・・今日はありがとうございました」
職員室に戻り、シェレンは頭をぺこっと下げた。クーナも釣られて頭を下げる。
「いや、私こそ・・・楽しかったよ、ありがとう」
「・・・あの」
シェレンは鞄から包みを取り出し、それをクーナの前に差し出した。
きょとんとしながらシェレンをみていると、無理矢理腕を捕まれ包みを渡される。
「え、と、これは」
「クリスマスでしょう 」
それは知っている。と言うとシェレンは頬を膨らませた。
「・・・メリークリスマスです」
べっと舌を出し、そのまま走って階段を駆け降りて去ってしまった。
クリスマスのプレゼント。普通大人が子供にあげるものだろう。クーナは包みを開いた。
中に入っていたのは手編みらしいマフラーだった。
緑色でふわふわしている。クーナはマフラーに顔を埋めた。
一緒に入っていたカードをポケットに入れて、そそくさとパソコンの前に座り、最後の作業を始めた。
残っていた冷めたコーヒーを飲んでも赤く染まった頬が冷えることはなかった。
「・・・メリークリスマス、シェレン」
始めて、生徒に恋をする気持ちがわかった。クリスマス午後8時だった。
書いちゃった(
クーナさんver
まだ学パロでは絡んだことなかったので初対面・・・でもシェレンちゃんは知ってましたっていう。クーナが好きだったっていう。美味しいなお前・・・
クリスマス掛け離れかけたなーと思ったけどまぁ許してネッ!
そして次はクラックverです。今度こそ明日書くぞー
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