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長いけど携帯からなんですー
暇すぎる。8時まで暇とかどんだけ(実際は9時まで暇



 僕は長風呂が好きだ。
 お風呂自体が好きで、気づけば1時間入りっぱなしなんてことも。
 疲れてるときは寝ちゃうときもあるんだけど。
 でももう、寝るのはやめようって思った。
 それは今日の出来事。
「ただいまー・・・」
 疲れた足を引きずってリビングへ向かう。珍しく爽楽君の方が先に帰っていたようで、キッチンから美味しそうな匂いが漂っていた。
 おかえり、と一言だけ言われ、僕はコートをしまいソファに寝転んだ。
 眠い。もうこのまま寝てしまいたい。
「お風呂、できてるっすよ」
 キッチンから聞こえた声に目を覚ます。さっさとお風呂に入って、ご飯を食べて、寝よう。
 そう思って浴室へと歩く。でも足が重くてゆっくりとしか歩けないけど。
 湯舟に浸かると疲れがとれたような錯覚に陥る。温かくて気持ちがよくて、それがまた眠気を誘う。
 僕は誘われるままに眠りについた。
 でも、ここでやめておけばよかったんだ。僕が起きれば問題なかったんだけど。
「ミントさん。もうすぐ2時間っすよ」
 そんな声がしてはっと目を覚ました。ここはどこだろうと思う間もない。
 爽楽君が僕のことを見ていたのだ。浴槽が広いわけじゃないから、いつも体育座りで浸かってるんだけど、それが幸いだった。
 でも爽楽君は僕の肩をつんと突いた。
 僕の体はちょっと―うん、大分かもしれない。とにかくおかしい。
 肌に触れられると変な感じがして、変な声が出る。静電気のお陰で触る人が滅多にいないから普段は触られる心配がないんだけど。
「静電気、起きないんすね」
 そう言われ気づいた。ここは浴室、湿気もあり濡れているから静電気はそうそう起こらない。
 だからかな、爽楽君はこれみよがしに触ってきた。肩だけならまだしも、む、胸とか足とか、湯舟に手を入れてまでだよ?
「やっ・・・やめてよ・・・っ!」
 僕はかっとなって、湯舟の水を爽楽君にかけてしまった。
「・・・」
「あ・・・」
 爽楽君は服をきてたからびしょ濡れ。しかも湯舟は冷めてぬるい水になっていて。
 更に季節は冬、部屋に暖房機具がたくさんあるわけじゃないから寒い。僕が布団から出るのが嫌になるぐらい寒い。
「ごっ、ごめ・・・」
「いいっすよ。風邪ひかないようにさっさと出てきてください」
 爽楽君はお湯から水へと豹変した。あぁもうだめかも。僕はそう思い湯舟から出て熱いシャワーを浴びた。
 リビングへ戻るとテーブルにはご飯が置いてあって、でも爽楽君の姿はなかった。
 もう寝たんだろうな。そう思いご飯を一気に食べた。喉を通らなかったけど、食欲もなかったけど食べた。美味しかった。
 さて、どうしよう。僕はソファに座って考えた。
 爽楽君は僕が嫌がるのを知ってて触ってきた。それはきっと正しい。
 だから僕が拒むのだってわかってたはずだ。でも、あそこまでする必要はなかったよなぁ・・・。
 そんなことを考えているうちに、僕はいつの間にかソファで眠っていた。



「ミントさん」
 はっと目を覚ました。あれ、これがデジャヴュってやつかな、記憶にあるような気がする。
 体を起こそうとするが、疲れのせいか動かない。あぁ、ソファで寝てたから体を痛めたのかもしれない。
「今何時・・・?」
「まだ夜中の2時っすよ。布団敷いてあるから、そっちで寝て下さい」
 爽楽君は電気を消して寝室へと消えた。
 僕は伸びをして体を叩き起こした。足の疲れがとれていてほっとした。
 寝室も暗くてよく見えなかったけど、布団の位置ぐらいわかる。欠伸をしながら布団に入ろうとしたら、変な感触がした。
「さっ、爽楽君!?」
 僕の布団にいたのは爽楽君で、思わずのけ反りそうになったけど体を支えた。
 だけど爽楽君が僕を引っ張るから布団の上に倒れる始末。うぅ、顔が床に当たって痛い。
「ど、どうしてここで寝てるの?」
「寒いからっす」
 それはきっとさっきのことを言ってるんだろう。僕は慌てた。
 爽楽君が不機嫌に見えることは何度もあったけど、それが本当に不機嫌なのかどうかわからない。
 最近やっと表情が読み取れるようになってきたけど。
 今回は確実に僕のせいだし、そのせいで不機嫌になってる可能性は十分ある。というかそれ以外に可能性はないんじゃないかな・・・。
「あの、僕のせいだよね」
「さぁ」
 あくまでも原因を言うつもりはないみたい。爽楽君は僕のことをじっとみている。僕は視線を外す。
「・・・じゃぁ、僕は爽楽君の布団で」
 寝るね。って言おうとするがぐいと腕を引っ張られた。
 頭を抑えられて無理矢理キスされる。息ができなくて苦しい。
 離してくれたと思うとまたキスをして、舌、まで入れてきた。
 僕はもう頭の中が真っ白で、謝ることとか見られたこととか全部忘れて。
 ただ爽楽君のことしか考えられなくなる。
「ん・・・はぁっ・・・爽楽君・・・っ」
「お詫びは体でいいっすよ」
 冗談なのかわからない。笑いもしないで言ってくるんだもん。わかんないよ。
「爽楽君のキスって・・・魔法みたい」
 そう言って爽楽君に体を預けた。布団に入れられるとまたキスをされた。
「どういう意味っすか」
 僕は何も言わないでごまかすように笑って爽楽君に抱き着いた。
 だってキスされると不安も嫌なことも全部忘れて、爽楽君のことしか考えられなくなるんだよ。
 それって凄いことだ、僕はそう思ってる。
「爽楽君、お風呂で変なことするのはだめだからね」
「じゃぁ、風呂以外ならいいんすよね」
 僕は黙ったまま何も言わなかった。
 卑怯者、そう呟いて体を重ねる。
 そんな卑怯者が、大好きなんだけどね。
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