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暗闇の中、目を覚ました。
今何時だろう、とぼんやり考える。まだ完全に起きていない脳が働くことはなく手は動こうとしない。
寝返りをうとうとするが胸元にいる存在に気づき、それをやめた。
すやすやと眠っている愛しい存在。
頭を撫でると存在の小ささがよくわかった。
手も足も体も小さくて、にぎりしめたら壊れてしまいそう。
でもにぎりしめて離したくない。
そんな複雑な気持ちが入り混じっていた。
「・・・んっ・・・風夢さん・・・?」
頭を撫で続けていたせいで起こしてしまったらしい。
じっと見つめてくる。風夢は微笑み「起こして悪かった」
と言った。
風夢の頭も動き始めているようで、腕が時計を掴んでくれるようになった。
時刻は5時、こんな時間に目が覚めるなんて珍しい。自分でも驚いた。
「どうか、しましたか?」
心配そうに顔を覗き込む白玉に、何でもないよと額にキスをした。
それだけで体が熱くなる。変な体だ。
白玉もお返しと言わんばかりに唇にキスを返してきた。
体に触れるとびくりと肩が跳ねた。
「白玉」
「・・・はいっ」
耳をくわえ甘噛みをすると耳がぴくりと動いた。
そんな小さな動きさえも愛しくて。
唇にキスをして、不器用だけど舌を絡ませて、互いの唾液を掻き交ぜて。
これでもかというぐらい白玉を愛してみせた。
白玉も同じぐらいの愛を、返していただろう。
次に目が覚めた時には部屋は明るくなっていた。
また脳が動こうとしない。ぼんやり部屋を見つめる。
さっきのは夢?一瞬だけそう思ったが目の前の残骸を見るとどうも夢ではないようだ。
「・・・白玉?」
胸元にいた白玉がいないことに気づく。フル活動した脳が一気に風夢を起こした。
どこに行ったのだろう。そんな心配はすぐになくなったのだが。
「呼びましたか?」
白玉はドアの前にいた。服も着替えていて寝癖もついていない。
白玉はててて、と歩き風夢のそばに駆け寄った。
頭を撫でると嬉しそうに笑ってくれた。
「あの・・・」
ぎゅっと、風夢の人差し指をにぎりしめた。
暖かい手の感触が伝わってくる。先程はこの手で・・・。
思い出すと顔が真っ赤になってしまう。慌てて頭を空っぽにした。
「な、なんだ?」
「朝ごはん、食べませんか?」
そういうことか。風夢は着替えると言って白玉を先にリビングへと行かせた。
服を着てないのだ。寝巻きを畳んでそそくさと服に着替える。
リビングへ行くと全員、いつものメンバーが揃っていた。
「おはよう風夢!」
「あぁ、おはよう」
椅子に座る前に洗面所で顔を洗う。これで完全に目が覚めるのだ。
冷たい水に触れたいと思わないがしょうがない。ため息をついてリビングへ戻った。
朝食はいつもと変わらない、パンとサラダと卵焼き。
いただきますと同時にサラダの取り合い、ジャムの争奪戦が始まる。勿論苺ジャムだ。
「・・・今日の卵、いつもより甘いな」
そう言うと紀ヰ千がニヤと笑った。その隙にジャムを取られた。いい様だ。
「今日はね、白玉ちゃんが作ったんだよ」
そう言われ白玉をみると、顔を真っ赤に染めていた。
「あの、今日・・・風夢さんの誕生日、ですし・・・何かしたいと思って・・・」
抱きしめたい衝動を抑え、頭を思い切り撫でた。
熱いねーとか、もっとやれとか聞こえても聞こえないフリ。
「ありがとう白玉、これからも・・・時間がある時でいい、俺に何か作ってくれ」
「は、はい・・・!」
ぱああと明るくなった白玉と笑顔を交わす。
今日はどこかへ出掛けようか、それとも家にいようか。
珍しく、一日が楽しみで仕方なかった。
「ねぇ風夢」
「なんだ」
「さっきのってプロポーズ?」
「ぶほぉ!げほげほっ・・・!」
「あら違いますの?」
「おまえら・・・聞かなかったことにしろ」
「やだね!」
「朝からいちゃつくあなたがたが悪いんですのよ」
「いちゃついてな・・・」
「・・・思い当たる節があるみたいだね・・・」
「おかしい人ですわ・・・」
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