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■ ここでキスして 7 題
昨日はキスの日でしたね。しかし私にはあまり関係ないことでした(笑
これから夏だってのに終わりかよ!と突っ込みたいけど我慢!
今回は一家総出で
波の音が聞こえる。海は一面オレンジで、夕焼け色に染まっていた。
潮風が目にしみて、リフは瞼をこすった。
入道雲は薄ら姿を現したが、すぐに消えた。もうすぐ彼らはいなくなってしまう。
「ちょっト寂しいですね」
波が足に触れて、身を震わせた。
「もう夏も終わりッスねぇ」
貝殻を拾い集めているフウカから視線を外して、海を見た。
太陽が沈めば寒く感じるだろう。もう夏が終わるのだ。
「秋も悪くないッスけど」
食べ物が美味しい季節ですから、と笑う。
確かにそれも悪くはない。だが、夏の終わりというのは少々気が滅入る気がした。
秋が嫌いというわけではないのだが・・・。
「あれ、フウカサンと、雨参サンは?」
「さぁ・・・二人が一緒にいることは確かなんでしょうけど」
フウカの隣に雨参がいて、雨参の隣にフウカがいる。それは当り前になっている。
二人は夫婦なのだ。それは当り前だろう。
いや、仲むつまじい夫婦が多い方が珍しいかもしれない。
「羨ましいッス」
ぽつりとつぶやいた言葉はリフに聞こえていたようで、ジロリと睨まれてしまった。
別に、リフのことを指したわけではない。ただ、仲のいい夫婦が羨ましいと思っただけだ。
「クラックサンは、ソういう夫婦愛がオ望みですか?」
「そういうわけじゃないッスよ」
濡れた足に砂がつかないように、羽を広げ宙に浮く。
クラックを見下ろせるのが満足なようで、嬉しそうに笑った。
「それより、フウカさんたちは・・・」
「大丈夫みタいですヨ」
ピッと指さした先にはフウカがコンビニの袋に詰めた貝殻を満足そうに持ち、少し後ろから雨参が手についた砂をはらいながらついていく。
フウカの手が綺麗なのを見ると、雨参が波打ち際で貝殻を掘っていたことがよくわかる。
「フウカサンは箱入り娘デすね」
二人も、フウカの後に続いた。気付いたフウカは、手を大きく振って見せる。
「雨参さん、お疲れ様ッス」
「ん、まだいたのか」
どうやら二人の世界に入っていたらしい。こちらの存在は見えてなかったようだ。
雨参はリフの顔を見るなり、笑みを浮かべ「顔に砂がついてるぞ」
と言い、さっさとフウカの隣に行ってしまった。
「全然気づきマせんでした」
「ずっとついてましたけど・・・」
「じゃあ教えテくれてもよカったのに」
ごしごしと顔をこするがとれていないようで、クラックが苦笑いしながらリフの頬に軽く触れた。
その手は冷たくて、リフは驚き、ぱっと手を掴んで握りしめてしまった。
「寒かったデすか?」
「ええまぁ・・・半袖でしたし」
「言ってクれれば先に戻っテたんですケド・・・」
クラックはリフの手を離し、ぎゅうとリフを抱きしめた。
「これで暖かいッス」
苦しいです、と言われ体を少し離すと、顔が近づき、軽く唇が触れた。
「もう、帰りまシょう」
「そうッスね」
また、手を握りしめ、視線を合わせ歩き、飛ぶ。
未だ手は冷たいものの、触れた唇とさよならを告げる太陽の光だけは温かかった。
